滋賀地酒の特徴

清酒の味わいを作り上げている要素として①原料米と水②気象条件③生産施設④醸造技法 等があげられる。滋賀県に当てはめると①コメは有数の生産県であるとともに酒造に適した玉栄、吟吹雪、山田錦 そして渡船が生産供給されており、水については東の伊吹・鈴鹿山地に、西は比良・比叡山地に囲まれ、そこから流れ出る軟水系の清浄な地下水が豊富に供給されている。②気候は醸造に影響を与えるほどの厳しい寒暖がやってこない地域である。③施設に関しては継続した改良により蔵に見合った設備が設置されている。④これまで各蔵は醸造に関して伝統技法を継承してきた杜氏に(高度な醸造技を習得した農漁村出身者)まかせっきりであったが、老齢化がすすみ採用が難しくなり、現在では2/3の蔵で経営者自らあるいは社員が杜氏の役割を担っており、自身は(独法)酒類総合研究所での研修や自社あるいは他社の蔵での実務体験を通して得た技法を駆使して醸造の先頭に立っている。①から③の好条件の下で県下33蔵が共存している状況を踏まえ各蔵は特徴のあるお酒の醸造を目指している。こうした環境を反映して滋賀の地酒の特徴は淡麗辛口や濃醇甘口と言った短い言葉では要約できない各蔵独自の味わいのある清酒の集まりから成り立っていると言える。

滋賀の地酒は虹色の宝石箱のように 色々に輝いている清酒で満ち溢れている。

皆さん、是非 いろいろ個性の豊富な滋賀酒をご賞味ください。

        滋賀県酒造組合 顧問 小幡 孝之

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